再資源化等の情報とは
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和7年環境省令第15号)が2025年4月22日に公布され、電子マニフェストで処分業者が最終処分に係る報告をするときの報告事項が増えました。新しく加わったのは、受託した産業廃棄物について、最終処分が終わるまで(または再生するまで)のすべての処分を、処分ごとに報告する情報です。JWNET(日本産業廃棄物処理振興センター)は、これらをまとめて「再資源化等の情報」と呼んでいます。
これまでの電子マニフェストで分かったのは、中間処理と最終処分の業者・場所・日付まででした。2027年4月からは、どの処分方法でどれだけ処分し、何がどれだけ再資源化物や中間処理後の廃棄物になったかまでが、排出事業者に届くようになります。
要点は次の3つです。
- 誰が:排出事業者から処分を受託した処分業者(中間処理業者・最終処分業者)
- いつから:2027年4月1日から必須。2027年3月31日までは任意項目
- 何を:最終処分または再生までの、すべての処分の業者・事業場・処分方法・処分量・処理後物の種類と量
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 処分終了報告(最終) | 自社の処分で最終処分または再生まで終わるとき(2次マニフェストが出ないとき)の処分終了報告 |
| 最終処分終了報告 | 自社の処分のあとに中間処理後の廃棄物を委託したとき、委託先から最終処分の終了の報告を受けて行う報告 |
| 処理後物 | 中間処理で生じる物の総称。再資源化物と中間処理後廃棄物からなる |
| 再資源化物 | 中間処理で部品や原材料など製品の一部として使える状態になり、廃棄物でなくなった物 |
| 中間処理後廃棄物 | 中間処理で生じ、引き続き廃棄物として処理する物。2次マニフェストの対象になる |
| 基準重量 | 処分業者が受け入れ、処分の対象とする廃棄物の量をkgで表したもの。処分量と処理後物の量を出す元になる |
いつから・誰が・どの場合に入力するのか
改正省令のうち電子マニフェストの部分の施行日は、2027年4月1日(令和9年4月1日)です。JWNET は2025年5月6日から入力欄を追加しており、2027年3月31日までは任意項目として入力できます。施行後は必須項目になり、未入力のままでは処分終了報告(最終)・最終処分終了報告を完了できなくなります。
同じ省令には、委託契約書に第一種指定化学物質の情報を書く改正も含まれていますが、こちらは2026年1月1日施行の別の改正です。「2026年1月から」という情報を見かけたときは、どちらの話かを確かめてください。
改正省令は2025年4月22日に公布されました。JWNET は2025年5月6日に入力欄を加え、任意項目として入力できるようになりました。2026年1月1日に施行されたのは、同じ省令のうち委託契約書に化学物質の情報を書く部分で、再資源化等の情報とは別の改正です。2027年3月31日までは任意項目で、従来どおりの報告もできます。2027年4月1日から必須項目になり、未入力のままでは処分終了報告(最終)・最終処分終了報告を完了できなくなります。
| 確かめたいこと | 答え | 出どころ |
|---|---|---|
| 入力するのは誰か | 処分業者だけ。排出事業者と収集運搬業者の入力項目は増えない | JWNET FAQ No.4・No.5 |
| どの報告で入力するか | 処分終了報告の区分が「最終」ならその処分終了報告で、「中間」(2次マニフェストがある)なら最終処分終了報告で入力 | 入力の手引き 1-1 |
| 紙マニフェストは対象か | 対象外。ただし1次マニフェストが電子なら、2次マニフェスト以降が紙でも、その先の処分まで含めて報告する | JWNET FAQ No.3・No.6、環境省通知第一 2(1)ア |
| 報告の期限は変わるか | 変わらない。処分終了報告・最終処分終了報告の3日(休日等を除く)の期限はそのまま | JWNET FAQ No.17、規則第8条の34・第8条の34の3 |
| 再生を受託した場合の期限の起算日 | 実際に売却した日ではなく、中間処理で客観的に有償売却できる性状にした日 | 環境省通知第一 2(1)カ |
| 罰則はあるか | 再資源化等の情報(最終処分に係る情報)の報告には、法第27条の2第10号の罰則は適用されない。ただし処分終了報告・最終処分終了報告そのものを期限までにしないことは、従来どおり同号の対象 | 環境省通知第一 2(1)キ、法第27条の2第10号 |
| 排出事業者は見られるか | 見られる。JWNET の「再資源化等の情報の照会」のメニューで確かめられる | JWNET FAQ No.15 |
追加される5つの項目と、数字の出どころ
入力するのは次の5つです。自社の処分だけでなく、2次マニフェストで委託した先の処分事業場の分も、最終処分または再生が終わるところまで含めます。再資源化物の売却先の情報は報告しなくてかまいません(JWNET FAQ No.7)。
排出事業者から電子マニフェストで処分を受託した処分業者は、自社の処分事業場での処分だけでなく、中間処理後の廃棄物を2次マニフェストで委託した先の処分も含め、最終処分または再生が終わるまでのすべての処分について報告します。2次マニフェスト以降が紙でも報告の対象です。委託先が入力した情報は自動では紐づかないので、委託先の分も自社で持っておきます。
| 項目 | 中身 | 主な数字・情報の出どころ |
|---|---|---|
| 処分業者の名称と許可番号 | 自社と、最終処分までに関わるすべての処分業者 | 許可証・委託契約書。許可番号の無い処分事業場(都道府県が設置するものなど)は「999999」 |
| 処分事業場の名称と所在地 | 自社と委託先の処分事業場 | 許可証・委託契約書 |
| 処分方法 | 許可証に事業の範囲として書かれた処分方法から、JWNET の区分で選ぶ。1つの処分事業場で搬入から搬出までに複数の処分をするときは最大4つまで選び、代表的なものを主たる処分方法にする | 許可証・工程の実態 |
| 処分方法ごとの処分量 | 1件のマニフェストの廃棄物が、処分方法ごとにどれだけ処分されたか(kg) | 実測が原則。難しければ基準重量×処分方法ごとの割合 |
| 処理後物の種類と量 | 再資源化物と中間処理後廃棄物の種類ごとの量(kg) | 実測が原則。難しければ基準重量×処理後物の種類ごとの割合 |
処分量と処理後物の量の出し方(計算の例つき)
中間処理の現場では、複数のマニフェストの廃棄物をまとめて処分するので、マニフェスト1件ごとの内訳を実測するのは困難です。そのため改正後の規則第8条の34の3の2は、処分量と処理後物の数量に「的確に算出できると認められる方法により算出される」量を含めています。環境省の通知は、実測が望ましいとしたうえで、実測が困難な場合は比率をあらかじめ求めておき、基準重量(マニフェストごとの受入重量)に掛けて出す方法を示しています。比率の求め方は、処分方法ごとの割合なら廃棄物の組成・性状・等級を考えて施設の処理量や稼働実績から、処理後物の割合なら過去一定期間の帳簿や売上記録にある受入量と売却量から、という例が挙がっています。
基準重量は、JWNET では処分業者の受入量、収集運搬業者の運搬量、排出事業者が登録した数量の順に自動で入り、体積などの単位はkgに換算されます。報告の時点で処分業者が変えることもできます。台貫で実測した受入量があれば、それが基準重量になるのが基本です。
計算は次の2つの式です。割合は小数点第1位まで設定でき、1次マニフェストの処分方法ごとの割合は合計100%にしないとパターンを保存できません。割合は、取引先の排出事業者や自治体に根拠を聞かれたときに説明できるものにしておくよう、JWNET は求めています。
下の表は、ALT が作った架空の数字の例です(JWNET のリーフレットの入力例の比率を、基準重量1,000kgに当てはめたもの)。混合の廃プラスチック類を受け入れ、自社で破砕・選別・圧縮し、残った廃プラを委託先で焼却、燃え殻を埋立処分するという流れです。
- 処分方法ごとの処分量=基準重量×処分方法ごとの割合
- 処理後物の量=基準重量×処理後物の種類ごとの割合
| 段階 | 処分方法 | 割合(基準重量に対して) | 処分量 | 処理後物 | 処理後物の量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 自社(1次) | 破砕・選別・圧縮 | 80.0% | 800kg | プラスチック原材料(再資源化物) | 800kg |
| 自社(1次) | 破砕・選別 | 20.0% | 200kg | 廃プラスチック類(中間処理後廃棄物) | 200kg |
| 委託先(2次) | 焼却 | 20.0% | 200kg | 燃え殻(中間処理後廃棄物) | 20kg |
| 委託先(3次) | 埋立 | 2.0% | 20kg | — | — |
中間処理業者の段取り
再資源化等の情報は、報告のその日に考えても間に合いません。JWNET は、事前に情報を整理し、基本設定とパターン(処理の流れごとのひな型)を作っておくよう案内しています。パターンには処分方法ごとの割合と処理後物の種類ごとの割合を登録しておけば、報告のときは基準重量から量が自動で計算されます。パターンの数に上限はありません。JWNET のページには、2026年10月から、パターンを作るための情報の整理と作成の手順を解説した処分業者向けの説明会の動画と資料も載っています。
- 自社の処分の流れを、受け入れる廃棄物の種類・性状ごとに書き出す(どの処分方法を通り、何が再資源化物になり、何が中間処理後廃棄物として出ていくか)
- 中間処理後廃棄物の委託先ごとに、処分業者名・許可番号・処分事業場・処分方法を集める。委託先の割合が分からなければ、委託先に聞くか過去の帳簿を参考にする
- 帳簿や計量の記録から、処分方法ごとの割合と処理後物の種類ごとの割合を出す(受入量に対する、搬出量・売却量・残渣の量の比率)
- JWNET の基本設定で、処分事業場・処分方法・処理後物の種類を登録する(パターンを使わず直接入力する場合も基本設定は必要)
- 再資源化等の情報パターンを作る。最終処分場など処理のルートが違えば別のパターンにする
- 処分終了報告(最終)または最終処分終了報告のときに、マニフェストに合うパターンを選んで報告する
- 季節や性状の変化に合わせて、割合を定期的に見直す
つまずきやすい点
JWNET の説明会の質問と回答(2025年12月12日掲載)と入力の手引きから、中間処理業者が迷いやすい点をまとめます。
- 前処理も処分方法に含められます。たとえば選別のあと破砕する場合は「処分1 選別」「処分2 破砕」とし、主たる処分方法を破砕にします。
- 焼却で熱回収をしていても、廃棄物熱回収施設設置者の認定を受けた施設でなければ「焼却(熱回収あり)」ではなく「焼却」を選びます。
- 同じ品目でも組成や性状で再資源化率が違うなら、パターンを使い分けることが推奨されています。
- 2次マニフェスト以降の処分業者が入力した情報は、自動では紐づきません。委託先の情報は自社のパターンに持っておく必要があります。
- 報告のあとに受入量を直しても、処分量や処理後物の量は自動では直りません。「再資源化等の情報の修正」で直します。修正は排出事業者の承認なしに反映されますが、確定情報になったマニフェストは修正できません。
- 排出事業者の確定数量と基準重量は、有価物の拾集などで違うことがあり、必ずしも一致させる必要はありません。
- EDI 方式のシステムで入力できるか、いつ対応するかは、EDI 事業者によって違います。JWNET の CSV 読込みでの報告もできます。
よくある質問
紙マニフェストで受けた廃棄物にも、再資源化等の情報は要りますか。
要りません。省令で項目が増えるのは電子マニフェストで最終処分終了報告をする場合で、紙マニフェストには適用されません。ただし1次マニフェストが電子であれば、2次マニフェスト以降が紙でも、その先の処分まで含めて報告します。
2027年3月までに入力しなくても問題はありませんか。
2027年3月31日までは任意項目なので、従来どおりの報告ができます。ただ、基本設定とパターンの準備、委託先の情報集め、割合の根拠づくりには時間がかかるため、施行前に一部の取引先から試しておくと、4月以降に報告が止まるのを防げます。
再資源化等の情報を入れ忘れると罰則がありますか。
環境省の通知(令和7年12月22日)は、最終処分に係る情報の報告には法第27条の2第10号の罰則は適用されないとしています。ただし2027年4月1日以降は JWNET で必須項目になり、入力しないと処分終了報告(最終)・最終処分終了報告そのものが完了できません。終了報告を期限(3日、休日等を除く)までにしないことは、これまでどおり同号の罰則の対象なので、入力の準備が遅れると終了報告の遅れにつながります。
割合はどの程度正確である必要がありますか。
実測が原則で、難しい場合に過去の実績値や施設の設計値から割合を設定します。JWNET は、排出事業者や自治体に根拠を求められたときに説明できる割合にするよう求めています。根拠にした帳簿や計量の期間を、割合と一緒に残しておくと説明がしやすくなります。

